【コラム】入力しないkintone? IoTがつくる次世代の業務データ活用
2025/12/08
kintoneといえば、「誰でも簡単に入力できる業務アプリ」というイメージが一般的です。
実際、多くの現場ではご利用者の方々がPCやスマートフォンを使って、日々の情報を登録したり更新したりしています。
しかし、kintoneの利用方法は人が情報を登録するだけではありません。

IoT(Internet of Things)と組み合わせることで、
“人が入力しなくても自動でデータが集まる仕組み”を作ることができます。
今回は、その一例として「Suica / PASMO などのICカードと連携した会議室入退室記録システム」(※)をご紹介します。
※ 本システムは弊社における kintone ‐ IoT連携の概念実証のために構築されたものです。運用可能なシステムとして構築されたものではありません。
概要
仕組みはシンプルです。
IoT端末(※2)に接続されたカードリーダーにICカードをかざすと、カードリーダーから読み取ったICカードの情報から、接続されたWi-Fiネットワークを経由してカードの所有者情報をkintoneマスターから読み取り、アプリに会議室の利用状況として登録します。登録された情報はkintoneフロア利用状況アプリ内に保管され、現在の会議室の利用状況、利用者を自席より確認することができます。

※2 ここでは汎用のシングルボードコンピューター(SBC:Single Board Computer)にカードリーダーを接続して使用しています。
動作
- IoT端末が、接続されたICカードリーダーからタッチされたカードの[カード固有番号]情報を読み取ります
- 読み取った[カード固有番号]から、だれのICカードなのかをあらかじめ登録された利用者マスターで確認して、[カード利用者情報]を取得します
- IoT端末の端末固有情報から、その端末がどの会議室に置かれたものなのかをフロアマスターに登録された情報で確認、会議室コードなどの[フロア情報]を取得します
- [フロア情報]と[カード利用者情報]を利用して、フロア利用状況アプリに利用状況、利用者を登録します

実際の動作イメージ
実際に動かしてみるとこのようになります。
以下のイメージでは、”退室”になっている応接室2に、以下のような入退室が行われます。
(カードをタッチしてkintone画面の表示が変わるのに若干タイムラグがありますが、これはkintone画面を表示しているブラウザの自動更新間隔の設定によるものであり、kintoneへのデータ更新はリアルタイムに行われています)
(動画表示が小さいので、全画面にしてご覧ください)
- ユーザーAがカード(青)をかざすと入室
- ユーザーAがカード(青)をかざすと退室
- 別のカード(銀)を持つユーザーBが入室
- ユーザーBがカード(銀)をかざすと退室
まとめ
“人が入力しなくても自動でデータが集まる仕組み”
今回はカードリーダーを使用した会議室の利用状況、履歴の収集と、データの見える化を行ってみました。実際の利用状況が把握できますので、会議室予約のシステムを連携させることにより、会議室を予約したけど利用していない状況(幽霊予約)を抑制して、使いたいときに使える、を実現するなどの効果が期待できます。
その他にも、いろいろなシチュエーションで、いろいろな情報を取得して活用することが考えられます。

- 省エネルギーを目的として、温湿度や照度などのセンサーからの情報を使って、使用していない会議室の冷暖房や明かりの消し忘れ防止
- 物品の管理に、RFIDリーダーやバーコードリーダーを利用して入出庫を管理する
- 快適な作業環境を維持するために、CO2、温度、湿度、騒音、照度などセンサーを利用した各作業エリアの環境管理
今回はkintoneの利用領域を少し広げて、人が入力しないkintoneの利用方法ということでご紹介させていただきました。
ご紹介させていただいた利用方法はごく一部であり、もっと多くの使い方が考えられます。
このコラムが、ご利用のkintone環境を一層利活用していただくための一助となれば幸いです。
このようなIoT連携を含めて、こういうことやりたい、こんな問題があるのだけれど、などございましたお気軽に弊社へお問い合わせください。
まずはお話を伺い、お客様のアプリ作成をお手伝いさせていただく「伴走サービス」や、お試しやちょっとした依頼に便利な「対面開発サービス」、在庫管理や販売管理といった本格的なシステム開発を請け負う「本格開発サービス」といった豊富なサービスから、弊社の豊富な経験を生かした最適のご提案をさせていただきます。
詳しくは 「kintoneサービス」をご参照ください。
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