UiPath
- 最終更新日:2021年08月11日
- 公開日:2021年01月13日

業務の自動化と言えばExcelマクロを想像される方が多いかと思いますが、他の業務アプリケーションやWeb上のサービスといったMS製品以外での業務自動化、各アプリケーション間連携の必要性が高まっているのではないでしょうか。
業務自動化の観点で現在注目されるIT技術としてロボットに処理を行わせるRPAがあります。中でもUiPathは、業務自動化だけでなく、業務システム間を跨いで連携する自動化を得意とするRPAプラットフォームです。
日々の業務において、以下のような定型業務を行ってはいないでしょうか?
- Webに公開される情報を定型的に収集し、Excel等に転記、メールで連携している。
- Excelで管理された台帳(顧客情報や名刺等)を他のシステムやWebサービスに登録している。
- Salesforce や SAP といった基幹システムに定型的なデータを登録している。
UiPath は、このような業務をRPAにより自動化し、業務効率を向上するソリューションです。
当社では、UiPath を使ったシステム間の連携に特化した課題解決を得意としています。
UiPath とは
UiPathはPC端末上で動作するRPAツールです。海外製品ではありますが、日本語対応がしっかり行われており、近年導入実績が増え、国内シェアを伸ばしている製品です。
RPAは定型業務の自動化を目指すツールですが、製品によって得意とする範囲が異なります。UiPath は、多くのアプリケーションに対応しているので、システム間をまたいだデータ連携を含む業務の自動化を得意としています。
ロボットが行う処理を作成するときはアクティビティと呼ばれる400種類以上のロボットへの命令が豊富に用意されていたり、また、各ベンダーが自システムと連携するためのパッケージが用意されています。
作業を行うためのロボットはノーコードから開発できるので、プログラミングができない方でもドラック&ドロップや、業務で行う操作を記録するレコーディング機能により、自動的にプログラミングし、簡単にロボットを作成することができます。
簡単にロボットが作成できるだけでなく、RPAを初めて触る人、プログラミンが分からない人でも継続して取り組める環境が用意されています。以下より、RPAとは何かを学習する環境にも最適です。
- UiPathアカデミーという学習用の e-learning コンテンツが用意されている。
- Web上の情報や資料が豊富にあり、また、UiPath のコミュニティで質問ができるので、迷ったときでも一人で解決できる。
- 個人でのRPA開発者や小規模事業者向けに無料で利用できる Community ライセンスが用意されている。
上記の反面、UiPathには中級・上級者用の開発環境も用意されており、プログラミンの考え方でより高度な自動化、アプリケーション間連携を実現することが可能です。
条件分岐や繰返し処理だけでなく、処理を再利用できるような作りで分けて考えたり、AIと連携したりなど、高度な技術を必要とする一面もあります。
UiPathの構成
UiPathを利用するにあたり、ロボットが動く環境を最小限で利用するためには、以下の3つのソフトウェアについて紹介いたします。。
UiPath Stuido
ロボットが行う作業のシナリオを作成する
UiPath Robots
作成したシナリオを実行するロボット
UiPath Orchestrator
複数のロボットを管理する
また、UiPath Robot は、 Attended Robot、UnAttended Robot に分類されます。
Attended Robot
クライアント端末上で手動実行するためのロボット
UnAttended Robot
クライアント端末にインストールされ、サーバーにより自動実行されるロボット
これらソフトウェアを使った ロボット実行環境の一例となりますが、開発したロボットは、以下のような構成で動作させます。
- 小規模
UiPath Studio 、 UiPath Robot(Attended Robot) を用いて、個人用のロボットを手動実行できます。 - 大規模
UiPath Studio 、 UiPath Robot(UnAttended Robot)、UiPath Orchestrator を用いて、複数台のロボットをサーバーで管理し、自動実行できます。
<小規模構成イメージ>

<大規模構成イメージ>

UiPath の特徴
RPAツールには、製品ごとにそれぞれ特徴がありますが、UiPathには、以下の特徴があります。
特徴 | 内容 |
高い拡張性 | UiPath のソフトウェアは、開発、管理、実行、 というステップで別々の製品として提供されています。 それぞれがやりたいことに応じ必要な製品を組み合わせることが可能で、小規模から大規模まで幅広く対応可能です。 後から製品を追加することもできるので、徐々に規模を大きくしていくというRPAの考え方に則っています。 細かくライセンスをカスタマイズできる反面、ライセンスが体系が複雑で一長一短はあります。 |
開発しやすい環境 | 学習用に UiPathアカデミーが用意されており、無料の Comunity エディションを使って開発を行うことができます。 UiPathアカデミーでは、動画を見ながら一緒に手を動かして、ロボットが行う作業手順(シナリオ)を作成し、学ぶことができます。 レコーディング機能もあるので、自分が行う作業を簡単に登録することも可能です。 また、サポートも日本語で受け付けてくれます。 ライトユーザーも多く参考情報が多いため、始めたばかりでも躓きやすいポイントをWeb上で解決することができます。 |
多くのアプリケーションに対応 | SAPやSalesforceなどの業務アプリ、Office製品を含めて、データを取得するためのAPIが様々用意されています。 様々な業務システムよりデータを引用することができますので、アプリケーション間で処理の自動化が可能になります。 |
処理の安定性 | UiPath は処理が安定していると言われています。 それは、業務をレコーディングする際、操作している画面を画像として認識せず、構造的に検出するためです。 画像として認識した場合、画面上に同じ画像が複数ある場合にはどれが正しいか分からなくなります。 利用する製品によっては、色を変えただけで、認識できなくなる可能性があります。 |
AIとの連携 | UiPathは現在、AIと連携するための環境が整理されてきています。UiPath社が提供しているAIや、既存のAIと連携できるためのアクティビティが用意されています。簡単に自動化を進めることができます。 |
想定外が苦手 | 1つの業務を行うにあたり、想定外のことが発生した場合の対応パターンがあると思いますが、想定外のパターンは複数あり、処理が複雑だったりします。想定外の対応パターン処理をいくつも作成したり、複雑な処理をロボットが行うのは苦手としています。想定外のことが発生してもフォローできるような仕組みを用意したり、場合によっては、人の手で業務を行った方が効率的に作業を進めることができます。 |
UiPathの導入にあたり
UiPath に限らず、RPAツールには得意なこと、不得意なことがあります。業務内容によっては、無理してRPAを導入せず、今まで通り人間が業務を行った方が効率が良い場合もあります。
RPAを導入する際には、解決しようとしている課題がRPAの得意とする分野であることを押さえておきましょう。
以下のようなことに気を付けると効果的に利用できます。
- 業務の自動化は狭い範囲から実装し、適用範囲を広げていく
- 利用部門と開発チームが連携する
- それぞれのRPAツールが得意とする分野があるため、慎重にツールを選ぶ
- 業務自動化のために明確な目的意識を持つ
UiPathは、開発環境がしっかり整理されており、馴染みやすい製品だと思いますので、是非、お試しください。
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